作者:佐藤秀峰 1998年ヤングサンデー(小学館)連載開始
単行本 全12巻
<あらすじ>
海上保安官:仙崎大輔(せんざきだいすけ)は潜水士として海で引き起こされる犯罪、事件を通し、厳しい現実と命の尊さを知っていく……。
<短評>
「ブラックジャックによろしく」で大ブレイクした佐藤秀峰がヤングサンデーで描いていた作品。正直、3巻あたりまではパッとしない作品であった。どこかで見たことのある印象しか受けない作品であった。しかし4巻を過ぎたあたりから劇的に大化けし、「命」「現実」といった他の作品でもよく取り上げられる主題でありながら独自の世界観を展開し、強いメッセージ性を持つ名作となった。
「救助もの」ということもあり、同社で描かれた「め組の大吾」とかぶる部分が少々ある。ただ決定的に違う部分があった。それが「現実性」である。「め組の大吾」は周りから理解されなかったとはいえ、主人公が救助の天才で全20巻通して主人公の関わった事件は死者0であった。これは「現実」にはありえないことである(作品を否定しているわけではない)。
それに対し仙崎大輔は常に「現実」を味わい続けた。仲間や先輩の死。死体の揚収。そして最後の事件で言った台詞「思い通りにならないから生きる」にこの作品のすべてが込められている。
「現実」は不本意の連続。だからこそ不本意から生まれる希望を「夢」とし生き続けていく。「現実」と「夢」は反義語ではない。同義語とまでいかなくても、もっと「仲良し」の言葉でいいはずだと私はこの作品を通して思った。 |
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