作者:佐藤秀峰 2001年近代麻雀GOLD(竹書房)連載開始 単行本 全1巻
<あらすじ>
チンピラの坂本次郎は雀荘で知り合った示談屋の真島にバイトしないかと誘われる。誘われるがまま着いた場所はヤクザ相手に人質の解放を交渉する現場だった……。
<短評>
「ブラよろ」の前に描いていた麻雀漫画。この作品も「海猿」「ブラよろ」のように命の意味を探るという佐藤秀峰特有の世界が描かれている。また麻雀漫画であるが物語の主題は先程言ったように「命の意味」にあり麻雀そのものについては深く描かれておらず麻雀の知識は必要なく読める。
この作品は読む人によっては置いてきぼりをくらう印象がある。確かに物語は唐突に息詰まる展開を向かえそのまま加速していく為物語のバランスは少々チグハグで置いてきぼりをくらってしまうのも無理はない。ただ私の見解としては坂本が唐突に事件に巻き込まれたように読者もこの物語に唐突に巻き込まれた形にわざと構成したのではないかと感じる。坂本も当初の展開に「わからない事だらけだ…」と漏らしており読者の心情と合わさる所がある。これを面白いと感じるかは読者によって分かれるところであるかもしれないが……。
しかしキャラクターは上手く仕上がっている。特に真島は主人公でなく物語の中でも特に語られることはないキャラであるがたった一つ「刑務所の中で蟻を踏まなかった」と語るだけで存在感のあるキャラにしてしまうのは上手い。この作品は賛否両論別れるだろうが、「海猿」「ブラよろ」を読んで佐藤秀峰を好きになった読者は一度は読むべきだろう。
|
|