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サラリーマン神話
課長島耕作 [amazon]
作者:弘兼憲史
1983年モーニング(講談社)連載開始
単行本 全17巻

<あらすじ>
 初芝電機に勤めるサラリーマン島耕作(しまこうさく)34歳。課長という肩書きに座り社会内組織に四苦八苦したり、女に悩みながらもサラリーマンとしての責務をこなしていく……。

<短評>
 ドラマ化、CM、映画化と知らない人は少ない大ヒット作。ちなみに島耕作を宅麻伸が演じたりしている。あまり合ってない気がするが……まあ、漫画の出来には関係ないだろう。
 紹介文に「サラリーマン神話」と書いたがあながち間違ってもいないと思う。女にもてる、仕事も出来る、会社のトップに気に入られる……。普通ならまずまずあり得ないキャラクターだ。しかし、こういったご都合主義的物語であっても会社の事情、会社内組織の戦い等がリアルに描かれているので読ませる。決してサラリーマン神話だけの作品ではないということだ。
 それから、この作品だけでなくこの作者の作品殆どであるが団塊世代的思想が随所に見られる。島耕作も団塊世代である為、一匹狼であるかと思えば組織に何となく憧れている部分があったり、いい人に見えてリーダー的思考が強かったりとまさに団塊世代というキャラクターになっている。しかし、こういった弱点の見えやすい人間像だからこそリアリティのある物語になり、ドラマに深みを持たしていると思う。そこには団塊世代であるかないかなど大した意味のない出来になっている。
 この作品の続編として「部長」「取締役」と出世していった島耕作であるが、それもまた神話といえる所以であろう。


論理的

 
   
感覚的
ストーリー
画力
説得力
構成力
リアリティ
社会実情
評点 71


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学校の図書室に1冊
はだしのゲン [amazon]
作者:中沢啓治
1973年「週刊少年ジャンプ」(集英社)連載開始
以後「市民」「文化評論」「教育評論」と掲載誌変更
単行本 全10巻(汐文社)

<あらすじ>
 昭和20年の広島。中岡元(なかおかげん)の一家は日頃から反戦的発言をしているということから非国民として周りから罵られながらも耐えて生きていた。そして8月6日、運命の日が訪れる……。

<短評>
 学校に置いてあったから見たことがあるという人も多いのではなかろうか。原爆の悲惨さを訴え続け、他の作品も同じテーマの内容を描き続ける中沢啓治の代表作である。
 この作品の大きな特徴として幸せになれない主人公達というのがある。最期には発狂して妙な実験をする画家の政二や元に希望をもらった直後に死んでしまう夏江など元の周りにはこういった事が何度も起きてしまう。正直なところ、原爆の実態を詳しく知らないのでこれがリアルには見えにくい。ただ、作者は実際に原爆を体験しているのでおそらくこういった死に様というのは珍しくなかったのかもしれない。ある程度の脚色はしてると思われるが。
 つまり、この作品にリアリズムを感じれるのは原爆を実際に体験した人のみだと思う。しかし、一番読まないといけないのは原爆を知らない若い世代であろう。作者の戦争に対する思想は共感しにくいと思われるが、それより元が悲しい体験を何度も味わいつつも強く生きていく様を見れば確かな感動と共感を生むと思う。父親のセリフ「何度も踏まれても真直ぐ伸びる麦のようになれ」は漫画史に残る名言だと個人的に思う。


論理的

   
 
感覚的
ストーリー
画力
説得力
構成力
感動
共感
評点 76


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